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第42回勉強会 小児逆境体験(ACE)の影響/日本版DBSの進捗について

  • inahobusiness
  • 4月28日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月13日

2025年2月27日、第42回となる勉強会では、新生児科医・小児科医のふらいと先生こと今西洋介先生を講師に迎え、「小児逆境体験(ACE)の影響」について議論しました。


小児逆境体験(ACE)の影響と社会の役割

・小児逆境体験(ACE)とは?

虐待、ネグレクト、家庭内暴力の目撃、幼少期の両親の離婚など、こども時代に受けた逆境的な経験を「小児逆境体験(ACE)」と呼びます。これらはこどもの心身に深刻な影響を与え、放置されると一生にわたる健康リスクや社会的問題の原因となります。


1998年にアメリカで行われた大規模調査では、ACEが以下の10項目に分類されました。

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日本においても、3人に1人が1つ以上のACEを経験しているとされています。しかし、日本では虐待経験を語りにくい文化や、質問項目の違いから、実際の数はもっと多い可能性があります。


・ACEの影響と現状

今西先生からは、ACEが原因で将来的に精神疾患や生活習慣病のリスクが高まり、さらに社会的孤立や経済的困難に陥る可能性が高いというお話がありました。

特に、


  • こども時代に虐待やネグレクトを経験した人は、成人後のうつ病や不安障害の発症リスクが著しく上がる

  • 幼少期の逆境が学業や社会生活に支障をきたすことがある

  • ACEが2つ以上あると、早産のリスクが高まる


という具体的なデータが紹介されました。さらに、ACEが4つ以上あると、うつ病の発症リスクが8.2倍に上がり、がんや糖尿病などの身体疾患の発症率も増加するという国内の研究結果も示されました。


小児性被害と社会の課題

小児性被害については、SNS上での感情的な議論が問題視され、国際的なエビデンスに基づいた冷静な議論の重要性が指摘されました。米国ジョンホプキンス大学の研究によると、「小児性被害は社会全体で取り組めば100%撲滅できる社会課題である」とのことです。


また、加害行為は「支配欲+密閉」などの環境が揃うと発生しやすく、「知らないおじさんに気をつけよう」という誤解が多い一方で、実際には知人や信頼関係のある人による加害が多いという現実も指摘されました。

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必要な対策

この問題に対処するためには、


  • トラウマケア体制の強化

  • 日本版CAC(チャイルド・アドボカシー・センター)の導入


が急務です。CACとは、虐待などの被害にあったこどもたちに対して、医療、司法、福祉が連携して包括的に支援を行う機関です。アメリカでは既に900以上のCACが設立され、こどもたちの心のケアに重要な役割を果たしています。


さらに、以下のような具体的な提言がなされました。

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未来への投資としてのACE対策

ACEへの対応は、こどもの未来への投資です。こどもたちが安心して健やかに育つ社会を実現するため、引き続き政策提言と具体的な取り組みを進めていきます。


また、こども家庭庁からは、日本版DBS(こども性暴力防止法)の進捗について報告がありました。令和6年6月に法律が制定され、現在、施行に向けて準備を整えている段階です。この期間に地方や現場に混乱が起きないよう、しっかりと理解を得ていくことが重要です。こどもを守るより効果的な仕組みになるよう、引き続き、現場への理解促進にも努めて参ります。


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資料




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山田太郎
自見はなこ
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